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ササンマスターのひとりごと


by sasunsasun
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ササン通信10月号

ササン通信 2006年10月号
                           VOL53
みなさん、こんにちは! ササンです。

 先月号は、突然の五十肩悪化の為、お休みをさせて頂きスミマセンでした。
しかしながら五十肩、話には聞いていましたが、こんなに辛いものだとは思いませんでした。手は肩から上に上がりません、服を着るのにも骨折した手を石膏で固めたように融通がききません。 パソコンのキーボードを打つ体勢を続けているのが、物凄く辛いんですよ。
その上寝るときが一番辛くて(涙。
寝返りのたびに痛さのあまり目が覚める始末、まだまだこの痛みは続きそうです。しかしながら、いつまでもササン通信をお休みすするわけにも行かず、今月号はなんとか、少しでも書いてみたいと思います、いつもより短めになるかもしれませんがどうぞ大目に見てお許しくださいませ。

 さて、今年もあと残すところ3ヶ月。考えてみる本当に早いですよネ。この間まで夏真っ盛りだったのに、気がつくともう秋も深まり、北の大地では初観雪の頼りも。気温が急激に変るこの時期は体調を崩しがち。どうぞ、みなさまご自愛下さいますようお祈り申し上げます。

 では、今回の通信もテーマをもって書いていきます。読んでいただく皆様にできるだけ、わかりやすく楽しんでもらえるようがんばります!

○ 「マスターのひとり言」
(時々の個人的に気になったことをつづっていきたいと思います)

○ 「ササン情報」


○マスターのひとり言 

「日曜日の夕刊」 重松 清 著  (自分が読んでよかったと思った本のご紹介)

 娘も中学3年生、いよいよ今年は受験生として日々勉強に励んで?いるようです。
そんな彼女ですが、国語はどうもうまく勉強できない様子。そういえば、自分自身も受験勉強なるものをしている時には、国語はそれなりに苦労した思い出があります。他の教科のように覚えたり、理解したりすればできるようになるかというと、そう易しいものではないのが国語と言う教科だからかもしれません。

 文章を読み解くには、その人が今までの生活の中で養ってきた漢字の力や、語彙をどれだけ身に付けてきているかといったことなどが大切な要素となってくるでしょう。そういった意味から考えますと付け焼刃では対応できないから余計に勉強の仕方も見つけにくいのが国語なのかも知れません。本来、そのような力を彼女が十分に身に付けて来ているのなら国語は楽勝なのでしょうが、新聞も本も読みつけていないわが娘には、やはり難関のようです。

 そんなわけで仕方なく国語のテストで赤点を取られても困りますので気は進まないものそれなりのことも教えてやらないとダメかなぁと思い、ちょっとだけアンチョコ的なことを話しました。常日頃に素敵な文章に触れて心豊かに育ってくれる方が嬉しいのだけれどなぁと思いながら彼女の受験対策用の問題文を読んでいるうちに、いつのまにやらそこに書かれている文章に自分が引き込まれてしまいました。

 それは、試験問題に良く取り上げられると言われている重松清さんの文章です。題名は「卒業ホームラン」 読まれたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。これは重松さんの著書の「日曜日の夕刊」と言う本の中に収められている短編の小説で、試験用にはその小説の中から以下の文章が抜粋されたものです。
時まさに「ハンカチ王子」で持ちきりです。そんな話題が自分の中でどこか重なったのかもしれません。それでは、私が嵌った文章をそのまま掲載してみますのでよかったら読んでみてくださいネ。
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小学校最後の試合が終わった後,六年生の加藤智(かとうさとし)は,監督である父徹夫(てつお)と母佳枝(よしえ)の三人で野球場に残っていた。

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 徹夫は智に聞いた。
「中学に入ったら,部活はどうするんだ?」
 答えは間をおかずに返ってきた。
「野球部,入るよ。」
 佳枝が,「今度は別のスポーツにしたら?」と言った。「ほら,サッカーとかテニスとか。」だが,
智には迷うそぶりもなかった。
「野球部にする。」
「でもなあ,レギュラーは無理だと思うぞ,はっきり言って。」
「うん・・・・・・わかってる。」
「三年生になっても球拾いかもしれないぞ。そんなのでいいのか?」
「いいよ。だって,ぼく,野球好きだもん。」
 智は顔を上げてきっぱりと答えた。一瞬言葉につまったあと,徹夫の両肩から,すうっと重みが消えていった。拍子抜けするほど簡単な,理屈にもならない,忘れかけていた言葉を,ひさしぶりに耳にした。
 徹夫は立ち上がった。
「ピンチヒッター,加藤!」
 無人のグラウンドに怒鳴り,智のグローブを左手につけた。
「どうしたの? おとうさん。」
「智,バットを持って打席に入れ。」
 智の返事を待たずに,試合で使わなかったまっさらのボールをグローブに収め,マウンドに向かってダッシユした。佳枝も立ち上がって,とことことグラウンドに出てきた。
 はにかんだ様子で何度か素振りをした智は,小さく一礼して打席に入った。
「三球勝負だぞ。」
「オッス。」
 徹夫はマウンドの土をならし,ボールをこねて滑りを止めた。例えば山なりのスローボール,そんなものを投げるつもりはない。レギュラー組の打撃練習のときと同じように,速球を投げ込んでやる。それが,野球が大好巻な少年に対する礼儀だ。
 ワインドアップのモーションで,投げた。ど真ん中だったが,智は空振りした。完全な振り遅れで,バットとボールも大きく隔たっている。ボールを拾いに行く背番号16に,「しっかり見ろ!」と怒鳴った。
 二球目も空振り。
「腰がすわっていないからダメなんだ,いつも言っているだろう!」
 智は半べその顔で「オッス!」と返す。叱られて悲しいんじゃない,打てないのが悔しいんだ,と伝えるように,徹夫に投げ返す球は強かった。
 最後の一球だ。手は抜かない。内角高めのストレート。智はバットを思いきり振った。快音とまではいかなかったが,たしかにボールはバットに当たった。打球は風に乗る前に落下しはじめ,佳枝の手前でバウンドした。
「ホームラン!」
 佳枝がグローブをメガホンにして叫んだ。
「智,いまのホームランだよ! ホームラン!」と何度も言った。徹夫も少しためらいながら,右手を頭上で回した。
 だが,智は納得しきらない顔でたたずんだまま,バットを手から離さない。徹夫をじっと見つめ,徹夫もまっすぐに見つめ返してくるのを確かめると,帽子の下で白い歯を覗かせた。
「おとうさん,いまのショートフライだよね。」
 来月から中学生になる息子だ。あと数年のうちに父親の背丈を抜き去るだろう。徹夫は親指だけを立てた右手を頭上に掲げた。アウト。一打席ノーヒットで,智は小学校を卒業する。
 不満そうな佳枝にかまわず,徹夫はマウンドを降りた。ゆっくりと智に近づいていき,声が届くかどうかぎりぎりのところで「ナイスバッティング。」と言った。
(重松清「卒業ホームラン」からの引用)
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 いかがだったでしょうか、ちょっと熱くなるものがありませんでしたか?私は不覚にも学力診断テストであることを忘れて熱くなってしまいました (^^;
 そしてどうしてもこの文章全体が読みたくなってしまい、「日曜夕刊」を注文してしまいました(笑

 読んでみますと、抜粋文よりも文章の背景は徹夫の家族全員のことに渡っていて、その分現実味を帯びるように書かれていました。
抜粋文だけ読むと、智くんのようなただ野球のことを純粋に愛し続けるそんな少年って今時いないよなあ、なんて変な勘ぐりをいれしまう心にこってり垢のついた自分に嫌気がさすような事はありません。さすがに共感を持てるように上手に構成されていて、姉の現実感溢れる行動にフッと考えさせられるところなど、重松さんの罠に引っかかって最後まで一気に読まされてしまいました(笑

 なるほど、この文章は確かに高校入試に採用される小説だけあって理想と現実をうまく組み合わせて書かれている文章だと思います。「卒業ホームラン」以外も心の葛藤などを扱ったものが多いのですが、なぜか読み終わったあとに心にさわやかな風が吹かせてくれる短編小説たちに拍手喝さいです。これからの秋の夜長、読まれる何冊かの中に心が軽やかになるそんな一冊はいかがでしょうか?


 
○ 「ササン情報」     

 いよいよ秋本番。 そうはいってもお昼間はまだ暑さが残る10月ですね。でも、朝晩はさすがに寒いくらいになってきました。これから、日一日と秋が深まり紅葉の季節、一年で一番素敵な季節と私は思うんですけれど皆さんはいかがですか?何と言ってもおしゃれの季節ですしね♪ ん?誰ですか食欲の季節っていったのは!(笑

 ササンでは、来る10月5日よりササン創業祭を開催いたします。今年はササン会員様限定の創業祭。お手元にお届けしておりますDMをお忘れなくお願いします。粗品もご用意させて頂いています、ぜひ創業祭に足をお運びくださいませ。


 
by sasunsasun | 2006-10-03 17:42 | Comments(0)