ササンマスターのひとりごと


by sasunsasun
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「下座に生きる」

涙が次から次と溢れて、思わず嗚咽を漏らしてしまいました。

手元にあるのは神渡良平先生の「下座に生きる」

ご存知の方もたくさんいらっしゃるでしょうが、
書かずにはいられないほどすごい話しで、
衝撃を受けるとはこのことなのかもしれないと思ったのです。

西田天香さんのもと集まってできた
「一燈園」の三上和志さんのお話しです。

とある病院での講話の後、少年院から病気の為預かっている
少年に院長が話しをしてやって欲しいと言う所からはじまります。

結核を患い余命幾ばくかの少年。
彼の生立ちはあまりにも悲惨で、
親の愛情をなにひとつ受けずに育ち、
育てのおやにも酷い仕打ち。
飛び出して生きるために泥棒をしたことで捕まった。

心はひねくれ誰も信じることができない少年卯一。

三上さんが隔離病棟で一夜を結核がうつるかもしれない
死をも覚悟で卯一と過ごし、一晩中無残にやせ細って
垢だらけの彼の足をさすってやる。

人の温かさをはじめて感じた卯一は
最後に三上さんをおとっつぁんと呼ばせてくれと心を開く。

別れ際の二人は約束をする、

三上さんは卯一に「生まれてくることとは誰かの役に立つこと」
を約束とした。
でもいつ死ぬかわからぬ自分にそんなことは出来ないというが、
病院の人に良くしてもらって死んでいけるのだから
みんなに感謝しろと諭される。

卯一の三上さんへの約束は
「子供たちに親に反抗するなといってくれ」と。
「親は子にいやな小言を言ってくれるのはありがたい、
おれみたいに言ってくれる人がいないのは寂しいもんだ」

最後の別れ際少年は三上さんの手を握り最後まで
「おっさーん、おっさーん」と叫びつづける。

そして、病室をでてしばらくして少年は息を引き取った。
病室に入った医師は見る、
いつも反抗的は少年はニッコリ微笑んでいるが
すでに息はない卯一の姿を。
そして、毛布に下で彼はなんと合掌をしていた

あれだけ反抗的だった少年が死に際三上さんと出会って、
誰かの役に立つ為に生まれてきたことを知り、
病院のみなさんに感謝して死ぬことで
彼は約束を果たしたのだった。

三上さんは最後に泣きながら虚空に向って話す
「卯一よお、聞いているかあ・…。
なあ、お前の親のことを恨むなよ・…。
少なくても母さんは自分の命と引き換えに
お前を産んでくれたんだ。

それを思うたら、
母さんには感謝しても感謝してもしきれんがな・…。
それになあ、お前に辛く当った大人たちのことも
許してやってくれ・…。わしもお詫びするさかいな・…。
みんな弱いんだ。同情こそすれ、責めたらあかんぞお・…」

誰も人を責めることはできないのだ。
責めるどころか、お詫びしなければならないのだ。
いさかい合い、いがみ合う世の中を作ってしまったことに対し、
こちらから先に詫びなければいけないのだ。
そうするとき、和み合い、睦み合う世の中が生まれてくるのだ。

この日記を書きながらまた涙が溢れてきて止まらなくなった。
下座に生きるそれはもっとも尊い人としての行き方。

到底自分ができるわけではないが、
心に下座行の思いを刻むことを忘れてはいけない。

そう思うのです。
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by sasunsasun | 2006-06-04 14:29 | Comments(0)